演繹法と帰納法にみるデザインアプローチ

幾何学を学びたいと思ったのはいくつか理由があるのだけど、ひとつはデザインにおける思考アプローチに幅を持たせたいというのがあります。
私は大学で数学を専攻していて3年次のときに解析学の方に進んだ。解析系の学問では、理論を積み重ねて最適解を導いていく、という思考方法をかなりトレーニングしたと思います。そのため演繹法の回路は身体に馴染んでいるのですが、ことデザインの現場では、演繹法だけで100%解決することはできない場合が多い。
デザインとは人の感情でもあるので、演繹的アプローチだけでたどり着こうとするのはいささか乱暴なことにもなる。わかりやすい例でいえば、デザインのプレゼンテーションで、ひたすらにロジック積み重ねていくスキのない論展開を行ったけど、クライアントの「あんまり好きじゃない」という一言で撃沈するということがあります。

一般的にデザイナーと呼ばれる職業にもタイプがいろいろとあって、たとえば建築系の人などは演繹法でデザインするけど、インテリアやグラフィック系の人はけっこう逆で帰納法が多い。現場の感情や事象や体験から逆に論理を導いていくという。どちらにも良さがあり、危うさもある。

数学に置き換えると、あくまでも私の勝手な解釈ではあるのですが、解析学は演繹法のトレーニングになり、幾何学は帰納法のトレーニングになる。私の理想は、プロジェクトごとに、最適なアプローチを選択できるようになること。利き脳は左右両方です、みたいな感じ。

2018-01-18 | Posted in 散文のようなものComments Closed 

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